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メディパーク中町4階

色のはなし

色のはなし

自分が見ている色が正常か、と疑ったことはありますか?人と違う見え方をしていることを「異常」と考えるのは、人と違う意見を「間違い」と同じくらいに誤解していることかもしれません。実際には、それは「異常」ではなく、むしろ「違い」であり、「多様性」なのかもしれません。

色の違いが分かりにくい代表的な例は、赤と緑の区別がつきにくいことです。日本人の男性の中には、生まれつき赤と緑の区別がつきにくい人が約5%いると言われています。なぜ赤と緑の区別がつきにくいのかを考えるよりも、なぜ赤と緑を区別する必要があったのか、という視点で人類の歴史を考えると興味深いです。森林で生活する霊長類にとって、緑の森の中で赤い実を見つけることは生存に必要なスキルであったと考えられています。一方、赤と緑の区別がつきにくい型をもった霊長類は、明暗を使って物の輪郭を見分けることに秀でているようです。これは昆虫などを食べる際に有利であり、昆虫は敵から身を守るためにカモフラージュしますが、赤と緑の区別がつきにくい型をもった霊長類は昆虫をよく見つけることができるようです。

現代社会では、赤と緑で区別されることが多いですが、その理由は、赤と緑の区別がつきやすい人々にとって、赤と緑の組み合わせが最も区別しやすい色だからです。信号機がその代表例です。赤は危険を意味し、緑は安全を意味します。赤と緑の区別がつきやすい人々にとっては当たり前のことかもしれませんが、赤と緑の区別がつきにくい人々にとっては、それは全く当たり前ではない話です。

赤と緑の区別がつきにくい人々にも、その理由を理解して負い目を感じることなく生活できる世界がデジタルの世界であり、カラーフィルター機能はその一環です。ディスプレイ上の色を正確に識別できるようにするための技術で、多くのディスプレイやOSに標準搭載されています。

色を認識する方法は人それぞれ異なり、皆が独自の視覚体験をしています。自分が見ている世界は、その人にしか体験できないものであり、他の人が同じ体験をしているわけではないことを理解することが大切です。