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大阪万博でAIスーツケースを体験!

大阪万博でAIスーツケースを体験!

私は大阪万博でAIスーツケースを体験してきました。
AI
スーツケースは、日本科学未来館の館長である浅川智恵子さんがリーダーとして開発を進めているものです。以前、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」の『あきらめなければ、道はひらける』という回を見たことが浅川さんを知るきっかけとなりました。番組では、中途失明の視覚障碍者である浅川さんがIBMに入社し、視覚障碍者や視力の衰えた高齢者のためにソフトを開発する研究チームのリーダーとして描かれていました。この番組を通じて、私は浅川さんに強い関心を持ちました。中途失明の方でもこれほどのことができるのかと驚き、希望と勇気をもらえたのを覚えています。

そんな浅川さんがリーダーとして開発を進めているAIスーツケースを大阪万博で体験できると知り、私はさっそく会場へ向かいました。まず、AIスーツケースの説明や使用方法を約10分ほど聞き、その後、実際にAIスーツケースを使って万博の会場内を歩き、目的地へ向かうという体験をしました。

このAIスーツケースにはスマートフォンが搭載されており、耳を塞がない骨伝導イヤホンを介して音声案内を受けられます。スマートフォンに目的地を伝えると、スーツケースの持ち手がゲームのコントローラーのようになり、行くべき方向を指先の感覚で感じながら移動することができます。普段は自分の意志で動かすコントローラーが、AIの判断で動き、人間側がそれに従うという、不思議な体験でした。しかし、AIスーツケースは進行方向を少し先に教えてくれるため、安心感がありました。会場内は非常に混雑していましたが、誰にもぶつかることなく目的地にたどり着くことができました。

目的地に着くと、周囲に何があるのか、どのような風景が広がっているのかをAIスーツケースが音声で伝えてくれました。この発想は、2022年の本屋大賞を受賞した『目の見えない白鳥さんとアートを見に行く』の世界に入り込んだような感覚を覚え、感動しました。もしAIが自我を持ち、こちらの性格を理解し、頭の中で対話するような感覚で知りたい情報を先回りして教えてくれたり、周囲の雰囲気や人々の表情、年齢層などを伝えてくれる世界が実現したら、非常に面白いだろうと思いました。

もちろん、課題も感じました。例えば、人にぶつからないように急停止してくれるのですが、その動作が突然すぎて、まるで運転が苦手な人の車のような感覚でした。乗り物ではないので酔うことはありませんが、急発進や急停止がないスムーズな動作になれば、より快適になるのではないでしょうか。また、階段をどうするのか、スーツケースの重量が重いことなどの問題もあります。そもそもスーツケースの形状である必要があるのか、メガネ型や他の形状ではどうかなど、まだまだ考慮すべき点があると思います。

しかし、浅川さんが率いるプロジェクトなので、きっと素晴らしいものが生まれるはずです。これからの進化が楽しみですし、心から応援しています!

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